
やっとの事で第2弾をお送りすることができました。ひたすらくだらない事を書き連ねています。結構長い文章なので時間のない人にはちょっとキツいかもね。
〇はじめに
唐突だが、私は物理が好きである。どのくらい好きかといえば力学でドンブリ三杯食えそうな勢いである。これを人に言うと、よく「物理の何がそんなに面白いの?」とちょっと怪訝そうな顔で聞きかえされる事がしばしばである。正直言って自分でもよく分からない。たいてい誤魔化してしまう。でも実際学んでいて物理は面白い!というのは事実である。私の場合、物理法則や公式によって「何でだろう?」と不思議に思っていた事を説明できたり、一つの事実から色々な事が次々にわかってしまうところがたまらなく快感なのである。
〇力学について
例えば、走行中の電車の中で人がボールを真上に投げた時の事を考えてみよう。ここで疑問に思うことがある。電車は前に進んでいるのだからボールが宙に浮いている間に電車が前に進んで、ボールは投げた人より後ろに着地しなければならないのではないだろうか。しかし実際は誰もが知っての通り、ボールはちゃんと投げた人のもとへ着地する。この現象は実に不思議ではなかろうか?それではこの現象の種明かしをしてみよう。これはボールを投げる人が電車によって動いている、すなわち電車によって進行方向に向かって移動させようとしている力を受けているので、その人から投げられたボールも同様に進行方向の力を受けているのである。よってボールは人によって上方向の力、電車によって進行方向の力を受けているので、ボールはこの2つの力を合わせた力、すなわち斜め上方向に力を受けているので、ボールを投げた人のもとにちゃんと戻ってくるのである。
人がボールを投げる力
ボールが実際に受ける力
ボールが実際にうける力 ボールが実際に受ける力
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以上のように物理現象は一つの事象だけでなく、いろいろな要素を考えることが大切である。このように考えることにより世の中の不思議が解明されていく。これぞ物理学の醍醐味といったところであろうか。
これまでに書いてきた事を人に言っても、往々にして「へぇ〜。」という力のない返答がかえってくるだけである。やはりこの物理による知る事の快楽を多くの人に知ってもらうためにはもっと身近で、楽しいものを題材に取り上げなくてはいけないだろう。そんな事を考えていたある時、とある一冊の本に出会った。その名も「空想科学読本」。私はこの本を読んで驚愕した。この本こそ私が長年苦しんできた「物理の面白さとは?」という難題に終止符を打つものだった。この本はアニメや特撮といった子供の頃に見ていたTVのヒーローの所業は実現できるのだろうか、という事を科学的に分析したものである。こう書くと一見すごく難しそうなのだが、物理を知らない人でも導き出された結果だけ見て十分楽しいと思う。何故なら、あくまで学問は事実を知る道具でしかないのだから。
〇空想科学読本
作者:柳田理科雄
東大中退の現・学習塾の講師。元々は憧れの教授が早稲田大学にいるらしく、その教授の下で学問をしたかったのらしいのだが受験に失敗。同時に受験していた東京大学理科T類に泣く泣く進学、という強者。大学を中退後、学習塾を開くも経営は赤字続きで、大幅な赤字を減らすために「空想科学読本」を執筆、大ベストセラーとなる。本人曰くプロ野球の清原和博選手を生涯のライバルと決めているらしい。文章を見ていてもかなりの変わり者ぶりを発揮している。かなりの文才あり。
では具体的にどういった内容が書かれているのであろうか。いくつか例にとって見てみよう。
〇其の壱「ハイジの大ブランコはジェットコースターより怖い!」
これはインターネットをしている人であればチェーンメール等でどこかで御目にかかった事があるのではないだろうか。この原作が何を隠そう、この「空想科学読本」なのである。
では内容を知らない人のためにどういうことか説明しよう。
「アルプスの少女ハイジ」のOPでハイジは巨大なブランコに乗っている映像がある。青空の中、小鳥はさえずり、見るからにのどかな風景である。しかし、みなさん疑問に思うことはないか?そう、ブランコが大き過ぎではないだろうか。TVではブランコの全長は映ってないが、ブランコの往復する時間(周期)によってそれは知ることができる。OPでは前方の空中で一瞬停止してから後方で止まるまで6秒かかっている。これよりブランコの全長を計算するとなんと37mであることが判明した。これはザクUの倍の高さである。ということはブランコの落差は実に25m、最下点での速度は時速79kmに達する。これだけの落差、速度をシートベルトなしに両腕と尻の下の小さな板のみで支えているだけとはハイジとは凄まじいまでの度胸と筋力の持ち主であることがわかる。しかしこんなブランコは乗るのが一苦労である。「今日はいい天気だ。ブランコで遊ぼう。」と無邪気に思い立ったハイジは、まず50m近くの大木にアタックをかける。相当の垂直登りを達成した後、横枝を伝い、ロープ伝いに37m滑り降りる。続いて全身を躍動させ、徐々にブランコを大きく漕いでいって、やがてジェットコースター並みのスピードを満喫するのである。主題歌の中で「口笛はなぜ〜、遠くまで聞こえるの?」と素朴な疑問を問うていたが、それはお前がそんな高い所にいるからだ!!
〇其の弐「風力で変身する仮面ライダーは超微力。」
仮面ライダーこと本郷猛はジャンプをしたり、バイクに乗って腰に巻いたベルトの風車に風を当てれば、そのエネルギーによって我等がヒーロー、仮面ライダーに変身することができる。しかしこれはエネルギー問題で頭を抱えている科学技術省の科学者達にしてみれば驚きである。それしきのアクションで人一人を仮面ライダーに変身させるようなエネルギーを得られるとは!参考に群馬県赤城山に取り付けられた直径10mの発電用風車を挙げてみよう。これは風速10mで10Kw(=10000w)の電力を得ることができる。この発電用風車をもとに考えると、仮面ライダーの腰についている風車は直径10cmとして考えて、風のあたる面積は赤城山の風車の1万分の1しかない。という事は発電できる量も1万分の1、すなわち1wしか発電できない。といことは・・・、ライダーは歴代ライダー(多分10人強)が勢ぞろいで赤城山に立てば10wちょいの電力が得られる。これでは家庭用電球(20〜30w)にも満たないくらいの電力でしかない。弱すぎるっ!しかし、もし停電のときは役に立つ。強風吹きすさぶ赤城山の峰に仮面ライダーが勢ぞろいすれば、仲間のエネルギーと厚い友情の結果、夜に便所の電球をたった1つ点灯させることが可能なのだ!!しかしこれではショッカーの誇る怪人とは到底戦えない。何故なら生身の人間が自転車をこいでおまけに発電する電気くらいの出力しか持っていないのだから。
〇其の参「タケコプタ−での飛行は死を招く」
ドラえもんの未来の道具で一番馴染み深いものがタケコプタ−であろう。これをつければドラえもんはおろか、のび太くんやしずかちゃん、はては近所ののら猫までもがホイホイ飛んでしまう有様である。
しかし、あのような一見単純な道具一つで我々は空を飛ぶことが理論上可能なのであろうか。
タケコプタ−の最大の難点はその異様なまでのプロペラの小ささにある。そもそもプロペラによる推進力はプロペラから吹きだされる風の地面を押さえつける力によって生み出される。ヘリコプターの場合、機体よりプロペラの方がずっと大きいので自ら起こした風を機体にわずかに受けるだけで済むのだが、ドラえもんの頭は、プロペラよりもずっと大きい。よってタケコプタ−から吹き出す風はほとんどドラえもんの頭に直撃し、下に押し付ける役目しか果たさない。脇から漏れてきたわずかな風により体を浮き上がらせなくてはいけないのだ。この脇から漏れてきた風を全体のだいたい10%くらいとし、ドラえもんの体重が約130kgなので離陸するために必要な推進力はその10倍の1300kg必要である。以上の条件を生み出すためにはタケコプタ−で毎秒460m(マッハ1.3)の風を起こさなくてはいけない。脳天にこれほどの風が直撃するという事は大変なことである。間違いなく自殺行為である。
最後にタケコプタ−の回転数が増すにつれ起こりうる現象を紹介しよう。
@離陸前
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脳天が次第に痛み始める。
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鼓膜が破れる。
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眼球が飛び出す。
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肺が破裂する。
A離陸直前
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マッハの風により衝撃波が発生。
・
頭蓋骨が砕ける。
・
頭皮が引きちぎれる。
・
体の各部がバラバラになる。
B離陸後
・
タケコプタ−がわずかに付着した頭皮と共に、いずこへともなく飛んでいく。
よってタケコプターなぞ未来の夢のマシンなどではない。未来の殺人マシンでしかないのだ。
以上に紹介したものはこの本のほんの一部にしか過ぎない。しかも私の文才ではあの溢れんばかりの魅力、面白さを表現しきれていないのは明白である。これで興味をもった人は是非とも購入して読んで頂きたい。幸い、発売されてしばらく経っているので中古市場に出回り始め、とてもお手軽に手に入れることが可能である。またこの本の魅力の一つに挿絵の面白さがあり、これも必見であるから、こうなると是非とも本物を読んで頂きたい。ここまで私がお薦めするからには読んで損は全くないですよ。最後にこの文章は著作権を全く考慮しておりませんので、何卒御内密に。そしてこの本を読んだことのある人は少々内容が異なっていることに気づくかもしれませんが、これは読みやすいようにと私が考慮した結果であり、御了承いただきたいと思います。